<Q4> 給与計算の担当者で、賞与計算をしています。賞与支給月に退職する社員がいますので、賞与の社会保険料控除について、
教えて下さい。
<A> 賞与からの社会保険料の控除については、給与計算ソフトで、自動的に控除される場合も多いのですが、「退職日」によって
社会保険料の控除の取扱が異なりますので注意が必要です。 賞与支給月に退職する社員のうち、月末退職以外については、
健康保険・厚生年金保険料の控除は、不要となります。
また、会社によっては支給日の在籍要件がなく、退職した後に賞与が支給される場合もあります。
その場合も、健康保険・厚生年金保険料の控除は必要ありませんが、雇用保険料の控除は必要となります。
(例)賞与支給日:7月10日
7月20日退職の場合・・健康保険・厚生年金保険料の控除「不要」 雇用保険料の控除「必要」
7月31日退職の場合・・健康保険・厚生年金保険料の控除「必要」 雇用保険料の控除「必要」
健康保険・厚生年金保険料と雇用保険に分けてご説明します。
①健康保険・厚生年金保険について 社員が負担する保険料は、被保険者資格を取得した日の属する月から喪失した日
(退職日の翌日)の属する月の前月まで発生します。会社は、毎月の給与から前月分保険料を控除しています。
具体的にお伝えしますと、5月31日に退職した場合は、喪失日が6月1日となりますので、5月分までの保険料を
負担します。従いまして、5月末退職の場合は5月給与から、前月分の4月分保険料と5月分保険料の2ヵ月分を
控除します。退職月に支給する賞与は、月末に退職する場合を除き、保険料控除の対象となりません。
賞与支給後に退職を表明した場合などで、月末退職でない場合は、賞与計算で控除してしまった健康保険・厚生年金
保険料の 保険料額を社員に返還します。また、資格喪失日の前日(退職日)までに支給された賞与については、
社会保険料の控除が なかった場合でも賞与支払届の届出は必要ですが、資格喪失日以後の支給の場合、届出は不要です。
②雇用保険について 雇用保険料は、資格喪失日に関係なく「労働の対価として支払われたもの」であれば保険料控除の
対象となります。計算期間により賞与が、退職後に支給される場合であっても、賞与が「労働の対価として支払われたもの」
であれば、雇用保険料を控除します。