2019年の闇営業問題を発端に、ある芸能事務所の雇用形態が話題になっています。
それは、『専属マネジメント契約』と『エージェント契約』です。
これらの違いは、いったいどのような点があるのでしょう。
所属タレントの立場からすれば、出演料(ギャランティー)に大きな違いがあります。
『専属マネジメント契約』
・・・事務所が所属タレントの売り込み、出演オファーの受付、マネージャー配備などを行う。
※ギャランティー(ギャラ)の取り分は、事務所:タレント 5:5~8:2と言われています。
『エージェント契約』
・・・タレントが自身を、売り込み、オファー受付、マネージャー雇用を行う。
※ギャランティー(ギャラ)の取り分は、事務所:タレント 3:7~2:8と言われています。
2種類の雇用形態では、単純なギャラ配分だけでなく、リスクテイクする立場がどちらなのか、というところがポイントです。
『専属マネジメント契約』は(タレントにとって)ギャラ取り分は少ないですが、受注からほぼすべてのリスクを事務所が負ってくれます。
『エージェント契約』はその反対に(タレントにとって)ギャラ取り分は多いのですが、受注から納品、フォローまで、すべて自身が負います(Own Risk)
継続性といった面では、『専属マネジメント契約』の方が無難に見受けられます。
これを「士業」の世界に置き替えますと、私どもはクライアントから受注・納品・フォローする立場なので、『専属マネジメント契約』の事務所サイドに近いと思われます。
私どもから外部委託業者(前述でいうところのタレント)に発注する場合でも、私どもの責任の範疇で行いますので、やはり事務所サイドになります。
事務所に所属しながら、『エージェント契約』のように独自で受注獲得するケースもありますが、責任の所在について、曖昧になりがちでなかなか難しいと思います。