Q2.働き方改革の柱の「同一労働同一賃金」とはどういうことでしょうか?

 

Q2
働き方改革関連法が国会で成立されたようですが、働き方改革の柱の「同一労働同一賃金」とはどういうことでしょうか?会社ではどういうことに気をつけたらいいでしょうか?

A

同一労働同一賃金とは、いわゆる、派遣や契約社員、アルバイトなどの個別の労働契約に準じた期間や時間で働く、「正規雇用」以外の雇用形態の方々の「処遇改善」をしようというものです。
同一労働同一賃金の導入は、仕事ぶりや能力が適正に評価され、意欲をもって働けるよう、同じ会社のなかで、正規雇用労働者(無期雇用フルタイム労働者)と非正規雇用労働者(有期雇用労働者、パートタイム労働者、派遣労働者)の間の不合理な待遇差の解消を目指すものです。
昨今の裁判例も鑑み、正規雇用と非正規で、賃金の決定(水準、手当等)、教育訓練、福利厚生施設の利用、処遇(退職金)などの見直しを行ない、差別がないか、不合理な格差がないかを検討します。大企業は2020年から、中小企業は2021年から導入予定となります。
「非正規雇用労働者」は、平成29年、2,036万人。平成6年から以降緩やかに増加しています。雇用者全体の37.3%にあたります。

①差別禁止規制・「均等」待遇
パートタイム労働法9条によれば、「通常の労働者と同視すべき短時間労働者」については、短時間労働者であることを理由として、賃金の決定、教育訓練の実施、福利厚生施設の利用その他の待遇について差別的取扱いをしてはならないと定められています。成果・能力・経験等による賃金差は許容、つまり、不利な取扱いに当たらないとされています。

②不合理な格差禁止・「均衡」待遇
正規社員と非正規社員(パート労働者・有期契約労働者)の間の賃金差など処遇格差に関しては、パートタイム労働法8条や労働契約法20条にて、不合理な処遇差が禁止されています
不合理な格差禁止に関する裁判としては、長澤運輸事件(定年後再雇用のトラック運転手)、ハマキョウレックス事件(運送ドライバーと正社員)があり、注目を集めています。
非正規雇用の処遇改善に向けて、行政による電話相談、社会保険労務士の活用、事業主に対して女性する「キャリアアップ助成金」の支給などの支援があります。

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