Q9.労働局にある紛争調整委員から「あっせん開始通知書」が会社に届きました。 退職した従業員の請求内容に、会社側は譲歩する余地がなく、解決金等を支払う意思はありません。参加しないと会社は、不利益になるのでしょうか?

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個別労働紛争解決制度とは、個々の労働者と事業主との間の労働条件や職場環境などをめぐるトラブルを未然に防止し、早期に解決を図る制度です。

紛争解決制度には、「総合労働相談」、都道府県労働局長による「助言・指導」、紛争調整委員会による「あっせん」の3つの方法があります。

「あっせん」手続きは、相手方に参加が強制されるものではなく、不参加としても、会社側に不利益な取り扱いはありません。
会社が「あっせん」手続きに参加する意思がないと表明した場合は、「あっせん」によって紛争の解決の見込みがないものとして、あっせん手続きが打ち切られることになります。
合意案を強制されるようなこともありません。
あっせん手続きをせずに、裁判になる場合もあります。
令和元年度個別労働紛争解決制度の施行状況(厚生労働省)によると、紛争当事者双方の「あっせん」参加率は、ほぼ半分程度(56.3%)で横ばいです。

退職した従業員の請求内容に、正当な理由があり、訴訟を提起されるリスクが想定される場合、「あっせん」に参加し、解決方法や妥協、歩み寄りの方法(金銭解決)を検討してもいいでしょう。

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