上司の仕事のひとつとして、「部下のモチベーションをあげる」「モチベーションをあげなければならない」「モチベーションを与える」といった言葉を使うことがあります。
誰のモチベーションを、どのようにあげるのでしょうか?どうしてモチベーションをあげなければならないのでしょうか?
モチベーションは、「動機付け」とか「やる気」と訳します。部下のやる気をあげることは、上司の仕事なのでしょうか?また、部下は上司からモチベーションをあげてもらうことができるのでしょうか?
上司の言動、ほめる、認めるなどの言葉がけ、上司の行動によって、部下のモチベーションが高まることはあります。信頼している上司から、「よくやっているね。君のおかげでこのプロジェクトがうまくいった、影で支えてくれてありがとう。このスピードでクオリティーの高い資料作成をやってくれて感謝している。」と言われたら、部下にとって、今後のやる気も高まり、もっと褒められたい、認められたいと思うことでしょう。
逆に言うと、上司の言動により、部下のモチベーションが下がったり、やる気を失ったりすることがあります。そのような体験されている方も多いと思います。部下がパワーハラスメントだと感じている場合は、やる気が下がるだけではなく、メンタル不全にもつながります。
ただし、正確にいえば、モチベーションや動機付けは、本人の意識、本人の思考、思いであり、自己実現や自己成長のための自らの目的のために、自分のモチベーションをあげることです。まさに、個人の内側から、わいてくるもの、内側からやってくるものです。
組織(会社)と個人(従業員)で考えると、個人がやる気を自らのキャリア、自らの目的の達成のために組織を使うという個人のニーズが合致する、調和することが、組織と個人の融合となります。
個人の目的、ニーズとしての自己実現やキャリア自律とは、金銭的なもの、地位、名誉、自分の能力を伸ばして、お客様や会社の役に立つこと、喜ばれることに他なりません。
仕事を通じて、能力を向上させ、自己成長、仕事の成果、貢献し、それが組織業績に反映されることで、組織と個人のニーズが和合します。
組織は個人の能力や自己実現を応援するし、それに応えて、個人は、組織に貢献し、組織によって役に立つ個人であり続けたいと思うことです。
その仕組みを言葉や数値にしていくものが、目標達成制度、MBOであり、言語化や数値化により、一層、明らかになるのではと思います。私は、組織、企業の目標管理制度の設計のサポートをしております。
組織内の個々人が、目の前の仕事をすることで、数字や結果が後からついてくるということも、その通りだと思います。その場合には、個人を個人事業主とみたてて、成果配分をすればいいと考えます。
しかし、組織で個人評価をするとなると、この目標達成や目標管理が、成果を図る基準になろうかと思います。成果をあげるためには、チーム力や、チームで協力していくことだと思います。
これだけテレワークやITにより支援システムが発達してくると、個人として成果をあげることが簡単になってきます。副業、兼業、二足のわらじが以前よりも簡単に取り組むことができます。その上で、チーム力を高めるためには、個々人の得意、不得意を組み合わせていくことだと考えます。
チーム力を考える上で大切なのは、次のとおりです。
①時間をマネジメントする
②何が貢献なのか、何が役に立つ行動特性なのか、自分の強みを知ること
③チーム内の他の人の強みを把握すること
④ITをどう活用するか
仕事の質・重要度を意識していくことではないでしょうか?